ところで、大学・短大入試における現浪比、男女比、自県内入学、入学学部、都道府県別進学率等の現状はどのようなものでしょうか。 例えば都道府県別大学進学率トップは73.1%の東京最下位は34.3%のX県。あなたの県のランキングはどのようでしょうか?
大学入試の現浪比先ずは現浪比からチェックしましょう。2011(平成23)年度の大学入学者数(国内の高校を卒業)は59万3,845人。現浪別内訳は現役(2011年3月卒)51万2,618人、浪人(2010年3月以前卒)8万1,227人で、その構成比は現役86.3%、浪人13.7%です。
入学者数・志願者数の留意点としては、 大学・短大入学者数や志願者数には国内の高等学校(中等教育学校後期課程を含む)卒業者のほか、外国学校卒、専修学校(高等課程)卒、その他(高卒認定等)が含まれている点に注意です。
ちなみに、1989(平成元)年度における大学入学者数は47万6,786人で、現浪別内訳は現役30万5,235人、浪人17万1,551人。現浪別構成比は現役64%、浪人36%で、現役にとっては「合格ウルトラ苦戦年」。同年度の入学実現率も56.5%の厳しさです。
「入学実現率」とは入学者数を実志願者数で除した比率。2011(平成23)年度の大学入学実現率は91.9%。これは入学者数59万3,845人を実志願者数64万6,392人で除した比率。「大学全入」とともに入学実現率は百パーセントに接近。
短大入試の現浪比 次は短大の現浪別。2011(平成23)年度の短大入学者数(国内高校を卒業)は6万7,072人で、現浪別内訳は現役(2011年3月卒)6万2,637人、浪人(2010年3月以前卒)4,435人。その構成比は現役93.4、浪人6.6%で、現役が圧倒的です。
ちなみに、平成初年の1989(平成元)年度における短大入学者数は22万5,364人で2011(平成23)年度に比べ16万人も多かった。この年度の現浪別内訳は現役21万0,573人、浪人1万4,002人で、構成比は現在なみの現役93.8%、浪人6.2%。
大学・短大入試の男女比 女子の短大離れと大学志向に拍車がかかっていますが、大学入学者の男女別構成比を見てみましょう。
2011(平成23)年度の大学入学者数61万2,858人に見る男女別内訳は男子34万4,352人、女子26万8,506人。男女比は男子56.2%、女子43.8%へ。志願者数379万8,083人の男女比は男子59.7%、女子40.3%。それぞれの男女比変化の要因はどこにあるのでしょうか?
平成初年の1989(平成元)年度における大学入学者は47万6,786人。男女別内訳は男子33万8,064人、女子13万8,722人。男女比は男子70.9%、女子29.1%。二十数年後、男子は14.7ポイントのダウン、女子は11.2ポイントのアップとなりました。
2011(平成23)年度の短大入学者6万8,432人に見る男女別内訳は男子7,608人、女子6万0,824人。男女比は男子11.1%、女子88.9%。志願者数11万0,778人の男女構成比も男子11.2%、女子88.8%でいずれも女子が圧倒的。
2011(平成23)年度の自県内大学への入学率は41.9%で、その男女比は男子39.9%、女子44.2%。自県内短大への入学率は66.1%で、男女比は男子57.7%、女子67.1%。いずれも女子の自県内入学率が高い。
自県内大学への入学自県内の大学設置増や経済的問題も加わり、大学進学のための他県流出は徐々に減少。最近5年間の自県内入学状況は2007(平成19)年度41.0%、2008年度41.2%、2009年度41.5%、2010年度42.0%、2011年41.9%と増加傾向にあります。
1975(昭和50)年度に見る自県内大学への入学率は36.1%で、男女比では男子33.5%、女子45.0%。1985(昭和60)年度の自県内入学率はで38.7%で、男女比は男子36.4%、女子45.6%。女子に顕著な地元入学志向。
2011(平成23)年度の自県内大学への入学率が高い(50%以上)都道府県は愛知72.8%がトップで、以下、北海道69.4%、福岡63.7%、東京62.8%、沖縄57.9%、大阪54.6%、広島51.9%の順。
一方、自県内大学への入学率が低い(20%以下)都道府県は和歌山9.6%が最下位で、鳥取14.1%、佐賀14.6%、奈良15.1%、島根16.1%、長野16.2%、香川17.2%、岐阜18.7%、高知19.9%、山形19.1%、茨城19.4%、富山19.6%と続きます。
短大の過去5年間に見る自県内入学率は、2007(平成19)年度63.3%、2008年度63.7%、2009年度64.0%、2010年度65.1%、2011年度67.1%と「地元志向」へ。しかし、短大志向の低下と入学者激減で全国的な「短大閉校症候群」が。
大学学部別入学者数2011(平成23)年度の自県内短大への入学率が高い(75%以上)都道府県は福岡90.7%がトップで、以下、北海道88.8%、愛知88.7%、岡山85.8%、石川78.4%、大阪75.9%の順。
一方、自県内短大への入学率が低い(50%以下)都道府県は和歌山31.2%が最下位で、島根35.7%、奈良36.8%、茨城38.7%、埼玉40.7%、滋賀42.4%、鳥取44.9%、山口44.9%が続く。
2011(平成23)年度の大学入学者数に見る学部部門別トップは経済学部5万4,011人、最下位は1学部のみの創造芸術学部10人。
大学の学部部門別進学者数ランキング(1万人以上)は次の通り。
1位 経済学部54,011
2位 工学部51,944
3位 文学部42,772
4位 法学部36,675
5位 経営学部25,215
6位 理工学部(域・群)20,960
7位 教育学部20,208
8位 商学部17,251
9位 外国語学部13,342
10位 医学部(群)13,171
11位 薬学部12,646
12位 人文学部(群)12,303
13位 理学部10,854
私立では定員割れが少なくない点に注意。
志願者100人未満の学部存立が危惧されるのは志願者数や入学者数が100人を割っている学部。以下、今年度の当該学部名を五十音順に紹介します。志願者数13人、入学者数10人といった学部も登場。かっこ内は志願者数:入学者数の順。
英語情報マネジメント学部(70:48)
環境社会学部(57:45)
環境ツーリズム学部(66:49)
感性デザイン学部(53:43)
金融経済学部(85:45)
国際環境経営学部(44:29)
国際言語文化学部(98:64)
子ども生活学部(74:49)
産業技術学部(90:50)
生涯福祉学部(43:20)
情報ビジネス学部(84:64)
鍼灸学部(89:63)
ソーシャルワーク学部(36:36)
創造芸術学部(13:10)
福祉環境学部(74:62)
福祉情報学部(44:40)
文化言語学部(92:54)
文化財学部(58:29)
保健医療経営学部(44:32)
です。これら19学部は産業技術学部(国立大)を除き私立大で、ほとんどが単独学部です。
大学の専攻分野別学生比次に大学ならびに短大ついて、2011(平成23)年度の専攻分野別学生の構成比を確認してみましょう。
1位 社会科学34.2%
2位 工学15.4%
3位 人文科学15.0%
4位 その他14.5%
5位 教育6.7%
6位 理学3.2%
7位 農学2.9%
8位 薬学2.8%
9位 家政2.7%、
10位 医・歯学2.6%
ちなみに、1985(昭和60)年度における専攻分野別構成比ランキングは、
1位 社会科学38.7%
2位 工学19.8%
3位 人文科学14.2%
4位 教育7.8%
5位 医・歯学4.3% その他4.3%
7位 農学3.5%
8位 理学3.4%
9位 薬学2.1%
10位 家政1.9%
両年度の比較から、大学学部に見られる変貌の一端が垣間見えます。社会科学、工学、教育等がダウンし、「その他」がアップ。空間創造、人間開発、グローバル・メディア・スタディーズ、未来デザイン等の新学部も登場。
2011(平成23)年度の短大本科学生に見られる関係学科別構成比ランキングは次のようになっています。
1位 教育33.1%
2位 家政19.5%
3位 その他11.3%
4位 社会11.0%
5位 人文10.9%
6位 保健9.0%
7位 工業2.9%
8位 教養1.4%
9位 農業0.9%
ちなみに、1985(昭和60)年度における関係学科別構成比ランキングは、
1位 家政26.1%
2位 人文23.2%
3位 教育20.8%
4位 社会10.9%
5位 保健5.6% その他5.6%
7位 工業5.4%
8位 教養2.3%
9位 教養2.7%
10位 農業1.0%
両年度の比較から、この間における短大の学科変貌が分かります。教育、保健、「その他」が増加し、家政、人文、工業等が減少。保育創造美、容福祉、メディア・プロモーション、美容ファッションビジネス等の新学科も登場。
都道府県別大学進学率進学率が5割をこえ、大学・短大進学はユニバーサル化時代に突入。しかし、危惧される一つは地域間格差です。2011(平成23)年度の大学進学率トップは東京の73.1%、最下位は沖縄の34.4%。その格差は実に40ポイント。
大学進学率とは大学進学者数を18歳人口(3年前の中学校および中等教育学校の前期課程修了者数)で除した比率のことです。ここでは都道府県別の大学進学率を検証してみましょう。
2011(平成23)年度の大学進学率に見る都道府県別上位10ランキングは
1位 東京73.1%
2位 京都63.6%
3位 山梨55.8%
4位 奈良54.7%
5位 広島54.1%
6位 大阪53.6%
7位 兵庫53.2%
8位 神奈川53.1%
9位 愛知51.7%
10位 千葉51.7%の順。
一方、大学進学率に見る都道府県別下位10ランキングは47位が沖縄34.4%で、岩手34.4%、青森34.5%、鹿児島35.1%、宮崎35.7%、福島36.0%、秋田36.8%、山口36.8%、長崎37.4%、佐賀38.0%と続きます。
高等教育機関の現況ここで若干視点を変え、大学・短大以外の高等教育機関について触れておきます。高等教育機関の範疇には大学、短期大学、高等専門学校(高専)および専修学校(専門課程)が含まれます。
2011(平成23年)度の大学、短大、高専および専修学校からなる高等教育機関の全入学者数は94万3,111人(3県の専修学校除く)で、その進学率は78.5%(暫定値)。前年度は79.7%(ピーク)。
高等教育機関に含まれる今年度の学校数は大学780校、短大387校、高等専門学校(高専)57校、専修学校3,115校。前年度との増減は大学2校増、短大8校減、高専1校減、専修学校196校減。懸念されるのは専修学校の閉校。
高等専門学校(高専)は後期課程からが高等教育。2011(平成23)年度の高専4年在学者は1万1,214人で過去最高。1989(平成元)年度に初めて1万人台となり、以来、1万1,000人前後をキープしています。
次は大学に次ぐ入学者数となっている専修学校(専門課程)です。2011(平成23)年度の入学者数は25万O,607人(岩手・宮城・福島の3県は含まず、前年度は26万6,915人)。過去最多は1993(平成5年)度の36万0,516人です。
今年度の高等教育機関への進学率は78.5%(暫定値)、その内訳は大学51.0%、短大5.7%、高専0.9%、専修学校(専門課程)20.9%(暫定値)。
ちなみに、10年前の2001(平成13年)度に見る高等教育機関の進学率は70.1%、学校別内訳は大学39.9%、短大8.6%、高専0.8%、専修学校(専門課程)20.8%。
さらに20年前にさかのぼる1991(平成3年)度の進学率は55.6%、学校別内訳は大学25.5%、短大12.2%、高専0.5%、専修学校(専門課程)17.3%。高等教育機関の進学率が5割をこえたのは1985(昭和60)年度。
以上、長きにわたる所懐の一端となりましたが、『学校基本調査』速報による大学・短大入試の検証はこの辺でピリオドに。